はじめに
シニアエンジニアやテックリードを意識し始めると、自分でコードを書くこと以上に「チームやプロジェクトをどう動かすか」という課題に直面することが増えてきます。
先日、社内のエンジニアリングマネージャー(EM)に壁打ちをさせてもらった際、自分の中での「もやもや」が整理されたので、同じような立場にいる方に向けて共有したいと思います。
「重要かつ緊急」なのにタスクが進まない
アイゼンハワー・マトリクスで「重要かつ緊急(第1領域)」と定義したはずのタスク。
「これをやらないとシステムの土台が保てない」という危機感もあり、PdMやエンジニアとも目的・背景の読み合わせは済んでいる。ゴールも示している。
それなのに、なぜか思うように進まない。そんな状況に陥っていました。
なぜタスクが「依頼」で止まってしまうのか
自己分析をしてみると、いくつかの要因が見えてきました。
1. 依頼(指示)の「強度」と「形式」
Slackで依頼はしているものの、「投げっぱなし」になっていないか?
定例ミーティングなどで顔を合わせて、「これが最優先事項です」と改めて熱量を持って伝えるプロセスが欠けていたかもしれません。
2. 「具体的」か「抽象的」か
相手側で、「具体的にどう手をつければいいか」がイメージできていない可能性に気づきました。
既存の対応に追われている中で、抽象的な「重要事項」が投げられても、とっつきにくいのは当然です。
3. リソース配分の調整不足
「リソースが足りない」のは常ですが、PdMと握って「優先度の低いものを後回しにする」という合意形成を、徹底できていたか。
自分が手を動かさない、という「覚悟」
ここで一番の葛藤は、 「自分でやったほうが早い」という誘惑 です。
しかし、自分が動けば他のマネジメントや全体設計が止まってしまう。
「自分ではなるべくやらない」と決めること。 これは一見、怠慢のように見えて、実はチームを回すための「マネジメント」そのものなんだと実感しました。
シニア以上に求められる「ソフトスキル」の正体
今回の経験を通じて、シニアエンジニア以上に求められるスキルの輪郭が見えてきました。
- 合意形成の技術:チームやステークホルダーと「いつまでに」「何を」「どの優先度で」やるかを握る。
- タスクの細分化:相手が「とっつきやすい」レベルまで解像度を下げてあげる。
- AIの活用:これも一種のソフトスキル。思考の整理や、タスク分解の壁打ち相手としてAIを使い倒す。
結局、技術的な正解を知っているだけでは不十分で、それをいかに「組織の動き」に変換できるかが勝負なのだと思います。
今後のアクション:解決に向けて
今回の壁打ちを経て、以下の3点を徹底しようと考えています。
- PdMとの再握り:全体のタスクリストに明確に入れ込み、優先順位の合意を再確認する。
- 期限(いつまで)の明確化:自分が考えている期限と相手が考えている(または気にしていない)期限の認識を合わせる。
- タスクの細分化(解像度アップ):相手が迷わず一歩目を踏み出せるレベルまで、タスクを噛み砕く。
おわりに
「マネジメントっぽい動き」に戸惑いを感じることもありますが、これもエンジニアとしての市場価値を高める重要なソフトスキルの一環です。
同じような悩みを持つテックリード候補の読者に少しでもためになれば嬉しいです。