2013年度:新人教育担当になった話 その2

昨日のエントリーの続き

新人が自分のいる現場に配属されて3週間経った。

まず、Webシステムの基礎を以下の本を読んでもらった。

「プロになるためのWeb技術入門」 ――なぜ、あなたはWebシステムを開発できないのか

「プロになるためのWeb技術入門」 ――なぜ、あなたはWebシステムを開発できないのか

読んでもらっても理解しているかどうかわからないため、
各章で重要だと思ったところをメモしてもらい、1章毎に報告する形を取った。

そして「読んでてどうだった?」という質問をした。
回答は
「表面上だけのことだけだとわかる内容でした」
「深いところまで書いているというわけではなかったです」
「しかし、曖昧なところもあったので読んでよかったと思える内容でした」
ということだった。
なかなかの好感触を持ったので、これ以上の本が出る or Webシステムの基礎を
すでに持っている人以外は来年も課題図書としてオススメしようと思う。

Webシステム基礎と同時に新人研修として「自動販売機」のシステムを組むことにした。
組むといっても、いきなりプログラムを作成するわけではなく、本当にシステムを作るように
従来の工程に沿った形で作成してもらうことにした。

概要は以下の通り

  1. 必要な機能を洗い出す(要件定義っぽいことをする)
  2. 設計書作成、製造、テストの工程の見積りとスケジュールを出す(スケジューリングをする)
  3. スケジュールの対面レビューをする
  4. 自分で見積もったスケジュールで実際に着手する
  5. 実際に設計書を作成する(フォーマットは自社で作成したひな形を用いた)
  6. 作成した設計書を対面レビューをする
  7. レビューOKとなったら、製造に着手する
  8. 製造途中でも1,2回はレビューをする
  9. テスト仕様書を作成する
  10. テスト仕様書の対面レビューをする
  11. テストを実施してもらう
  12. 作成した自動販売機を一旦納品という形で完了とする

現在、7に着手できたところだが、業務レベルの考え方を
スバッと言っているので、大分苦戦をしている感じだ。

そして、自分たちのレビュー観点として各工程に関する「チェックリスト」を作成した。
新人が作成したものについてチェックリストをもとにレビューをする。
そうすることによって、メンバー共通認識を持った上でレビューを行い
一定基準レベルまで書けるようにする。
こうしなければ、レビュー時に「個性」が出てしまいレビューの質が
バラバラとなってしまうと考えたからだ。

実際に「チェックリスト」を元にレビューしてみた。

設計書について
チェックしてみたが記述量が少ないためか
チェック項目すべてに当てはまることがなかったが、
それが明確になったので次回に繋げられる状態になっていると考えている。

その他
技術のことも大事だが、社会人に取って必要なもの(ホウ・レン・ソウなど)は
逐一やっている状況である。
具体的には、自分の業務もあるため、一段落ついた合間や
ちょっとしたミーティングで新人へ話している。
話す中で「こういう報告にした方がよい」「こういう言い回しの方がよい」など
自分の今までの経験上から引っ張りだしたり、上長から聞いた話を伝えている。

最後に新人教育担当となって3週間経って思うことがある。
現在、「X月までに立派に開発できるようにさせる!」という目標でやっている。
しかし、自分は「研修の成果をすぐに見たい」という思いに駆られてしまうことが
たまにある。
だからと言って、メタル系モンスターを倒して経験値いっぱいもらえるわけでもないし
どちらかというと、経験値が普通のモンスターをたくさん倒して経験値をもらう感じ。
ダラダラとやるわけじゃないが、時間も必要なことだと思うので、こればかりは
根気を入れて1日1日確実にやっていくしかないと実感した。

以上で3週間目が終了した。
4週目の話も少しあるので、続きは次回。